2015年10月22日木曜日

シリーズタイトルのこととか

目下の自分の目標は、新刊発売までに「戒能靖十郎」で検索するとこのブログが上位にくるようにすることなのだが、しかしあまりやくたいもない日常話でブログを埋めては、既刊情報や書籍リストを読者に見つけやすいように用意する、という本来の目的から遠ざかるような気もし、かといって仕事に関わることは独断で話せるようなこともあまりなく、じゃあこのブログってなにを書けばいいんだ?という疑問のもと、放置し続けている昨今です。

定期的に仕事のことが報告できるほど働けよ!というご意見もあるかと思いますが、いまのぼくは本業である指を☓にして「V8!V8!」と叫ぶ仕事に忙しいので、なかなか副業である作家業に専念ができなくV8!V8!

というか自分の仕事が遅いのもさることながら、そもそもお仕事がもらえないと報告のしようがないのでね、みんながどんどんぼくに文章のお仕事をくれる世の中になればいいなってジョー様に願いながらV8!V8!

ともあれ、とにかく検索上位にこのブログをこさせたいと思うので、作品に関することで、特に話しても差し障りなさそうなどうでもいいことをぼちぼち書いていこうかと思います。

というわけで、記事名のシリーズタイトルについてです。
(ここから先、微妙にネタバレといえなくもないので、一作目を読まれていない方は読んでからどうぞ)

自分のデビューシリーズである『英雄《竜殺し》の終焉』からはじまる三作については、正式なシリーズ名がないんですよね。なので三作目の『白き帽子の放浪者』がでたときは「英雄譚シリーズ完結」という編集サイドの苦心の感じられる書き方がされたりしていました。

この「シリーズ名なし」というのはわりと判断に迷ったというか、いまだにあれでよかったのか?と思うところはありましてね。
もちろん出版時に「シリーズにするならタイトルはどうするか?」という打ち合わせはあったわけで、シリーズタイトルをつけるパターンも検討されたんですよね。特に投稿作は出版時に改題されることが多いというか、かなりの高確率で改題されますしね。
なので、えーと、もうあんまり覚えてないですけど、例えば『英雄《竜殺し》』をシリーズ名にして、一巻の巻タイトルを『終焉』にするとか、そういう案とかがあったわけです。

(ここから先が『英雄《竜殺し》の終焉』のネタバレに多少なります)
ただ、そもそも英雄の終焉が告げられていることが、このタイトルの妙味というか引きというかなので、例えば最終巻までそろって背表紙を見た時に「一巻で死んでないじゃん」と思われたら台無しなので、それは避けたいというのがありましてね。
で、代わりに『英雄《竜殺し》の~~』で統一させようかという案もあったわけですが、それでいくと終焉の後を語る物語に適した言葉がない、と。なにより終焉した後に英雄《竜殺し》の話を書いてしまったら台無しだしなあ、というね。

なにより、投稿時に『英雄《竜殺し》の終焉』というタイトルが思いついたとき「これだ!」と思ったんですよね。
あんまり、というかまったく褒められた話ではないんですが、投稿時にこの作品が完成したのが、まさにC★NOVELS大賞締め切り日の朝でしてね……。書きながらずっと「タイトルどうしよう……」と思ってたんだけど、まったく思いつかなかったんだよね……。
ところが書き上がって「さあタイトルどうする?」って考えたらパッと思いついたのが『英雄《竜殺し》の終焉』で、思いついた瞬間「あ、これだ」と思ったんですね。
わりと常に迷いながら書くタイプなんですが、その分「これだ」と思えたときは、理屈よりもその感覚を大切にしたいと思っているのです。

シリーズタイトルがあったうえで、サブタイトルが『英雄《竜殺し》の終焉』だと、長すぎてよくないし、かといって『英雄《竜殺し》の終焉』という部分は崩したくないし……。
ということでシリーズタイトルなし、ということになったわけです。

この場合の弊害というのは、やはり続刊が続刊だとわからない、というものでして。
あとがきなりあらすじなりである程度はフォローするとはいえ、単純に店頭やネットでタイトル見た時に、続き物なのにそれとわからない作品は困りますからね。

で、基本的な対策としては「全巻、その一冊だけ読むのでも問題がない話にする」というもので、だからというわけでもないですが、あのシリーズは毎巻、主人公、というか語り手が毎回変わっているわけです。

ただ、二作目『英雄《竜殺し》の誕生』は、過去編であるのもあってあれだけ読んでも問題ない作品になったと自分では思っていますが(実際、タイトルからして誕生が先だと思ってそちらから読んだ、という話も聞きます。それはまあ、作者の思う壺ですな!)、三作目の『白き帽子の放浪者』は、前二作を読んでいないとわかりにくい話になってしまったなあ、とちょっと反省しています。
でもやはり総決算的に考えるといろいろつながりだしておいたほうがカタルシスが上がるしなあ、と。

でも、『白き帽子の放浪者』って、タイトル的に弱いというか、それだけ出されてもなんのことかわからないから手に取られないと思うんですよね。あくまで「前二作を読んだ人なら気になるけど読んでない人は気にもかけない」というタイトルにしたつもりなので。その読みが当たったのかわからないですが、この巻から読んだという話は、いまのところ聞かないですなあ(売れてないだけというの禁止)。ただ、商売的に考えたら、そういうなにも知らない人が手に取らないタイトルはいかがなものか、と出したあとに思ったりとか。

そんなこんなで、シリーズタイトルなしが良いことだったのか悪いことだったのか、いまだに答えが出ないまま生きている感じです。

そして結局、わかりやすいからか『《竜殺し》シリーズ』といわれることが多い気がするので、このブログでもそういう表記にしています。じゃあ最初からそうつけるべきだったのではないか!?いやでもやはり「これだ!」という直感を捨てるわけには……

2015年10月21日水曜日

短編「お姫さま泥棒計画 M・T・P番外篇」配信予定のこととかM・T・P二巻のこととか

せっかくブログ開設したものの、なにもやっていないわけではないが特におもてだっていえるようなことはなにもなく、これはなんのためのブログなのかな!?という気持ちになっていたが、よく見たら今月のチラシで短編の電子書籍配信について告知されていたのでどうやらいってもいいようだと気づいたので書くことにするのであった。

今年の2~4月まで読売プレミアムで公開されていた短編「お姫さま泥棒計画 M・T・P番外篇」が、電子書籍化して2015年11月末から本よみうり堂デジタルで配信開始されます。
基本的にC★NOVELSの短編は本よみうり堂デジタルで先行配信したのち、だいたい一ヶ月後に他の電子書籍ストアでも配信開始されるようになるので、遅くても来年の年始には電子書籍環境のある人ならたいてい読めるようになるかと。
価格はストアによって税込みだったり税別だったりしますが、だいたい100円です。短編なので、ページ数もお値段もそれ相応なのです。

内容的には、本編のプレストーリーですね。
魔都アルタイルに向かう前、主人公のルウィンがビシア帝国で巻きこまれた騒動の顛末を描いています。
本編を読まれた方のなかには「こいついままで一人で大丈夫だったのかよ」と思ったりした方もいるのではないか、いて欲しいな、一人くらいいてもいいじゃないか、と作者は思っているのですが、その辺についてなんとなくわかるような感じのお話になっています。

プレストーリーなのでこれだけ読んでも楽しめるようにはしたつもりですが、今後出る予定の二巻を前にしたおさらいのつもりで読んでいただければ嬉しい感じですね。この短編を読まないでも本編の理解には支障はありませんが、二巻でちょっぴりニヤリとできるんじゃないかと思いますね。というかそうなればいいと思って書いたので、そうならないと悲しいですね。悲しむ人は世界に一人でも少ないほうがいいとぼくは思います。

「おいおい、その肝心の二巻どうしたんだよ。お前、一巻のあとがきで初夏にはとかいっときながら、もう今年の終りが見えてきてるじゃねえかよいいかげんにしろよお前の夏はまだはじまってもいないのか?ああん?」
というご意見もあるかと思いますが、夏は終わらない!おれが熱いかぎりは夏を終わらせたりはしないんだ!という気持ちで生きてきたものなので、夏はこれからだと思っています(コタツに入りながら)。

そんな気持ちの問題はおいといて、諸々の事情で遅れていた二巻もですね、まあ私個人で勝手にいえるようなことは少ないのですが、とりあえず作者が一人で虚ろな目で画面を見ながら「おい、お前こんな話のなにが面白いんだよ!いってみろよ!いえないだろ!お前は人にいえないようなものを書いているんだ!」「ちがう!ちがうんだ……!ぼくはただ……みんなに楽しんでもらいたくて……!」「ハハッ!お前という人間は嘘ばっかりだ!」みたいな会話を一人でして、猫に(こいつうるさいなあ)と迷惑そうにされるだけの段階はなんとか通り過ぎまして、出版に関わるほかの方々のお仕事が動きだす段階まではきております。
ので、なにかアクシデントが起きなければ、遠からず発売予定日が発表できるようになるんじゃないかな、と思っています。もっとも、この「なにかアクシデントが起きなければ」ってやつが、ふふ……とんでもないクセモノでしてね……うふふふふふ……。

ま、でも多分、この短編をはじめて読まれた方が内容を忘れないうちにはですね、二巻をお届けできるんじゃないか、お届けできればいいな、と。
詳しい内容はまだなにもいえないのですが、作者の手応えとしては「ザッツ・エンターテインメント!」といえるような作品になっていると思っています。あとは一刻も早く読者の手元にお届けできるように、ちゃんとやることしっかりやらなきゃってところですね。やります、いまやりますから。
というわけで、大変お待たせしてしまって申し訳ありませんが、あともうちょっとお待ちください。